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執筆者の写真Yuki Sakano

2024.3.11

朝。ルーティーンとなっているラジオ体操(第一〜第三まで)をしていると、2つ向こうの田圃に鹿が2頭。中断して2人でじっと見ていた。

こんな明るい時に2頭もはっきりと鹿を見ることは今までなかった。

そして、2頭が連れ立って歩いているその景色を見て、ほんとうに綺麗なところに住んでいるなあと 思った。



東京を出たことがなかった私が、3.11を機に12年前、友人を頼って東京の高尾から岡山の吉備中央町に引越した。

それはおもに「怖れ」からの行動だった。続く余震、体に出る症状、溢れる情報に居ても立っても居られなかった。

吉備中央町も牧歌的でほんとうに素敵な場所だったが、掘っても水の出ない地域だった。震災で生活用水に困った経験から、どうしても井戸が欲しかったので場所を探し続けた。そして友人の縁で、蒜山にたどり着いた。

そこの地の水も空気も、お米や野菜もびっくりするほど美味しくて。

井戸の水で焚いたお風呂と、蛇口から井戸水が出る夢も叶って、ここにいることがふつうになった。

怖れが原動力での動きの始まりではあったけれど、家づくりや農作業に必死になり、日々暮らしをして美しい、美味しいと味わっているうちに、いつの間にかその起点はずいぶん希釈された。


一見すると、東京の頃の暮らしとそこまで大きく変わらないことをしている。この美しい大自然の中にせっかく住んでいるのに、、と、アクティブでない自分に随分ダメ出しをしてきた。(なぜアウトドアに挑戦しないのか?など。笑)


でも、今日鹿を見ながら思った。私はほんとうに、ここにいたくてただ居る、と。その気持ちが心の底からこんこんと湧いてるということを感じた。

だからアウトドアに憧れつつ、何をしていようとしていなかろうとどっちでも、自分が居たいと思って居るだけ、と思っている。

こんな山の中にもし一人で生きることになったら?という怖れがずっとどこかにあったが、つい先日から、そういう怖れをもっていることをただ感じるようにしてみている。

それが、今のあるがままだと思う。







遠くに鹿が2頭。

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